松束4
平成18年12月3日

蛍火をひとつ与へん冬の虫
 
鐘叩の音が家の中のどこからか間遠に聞こえてくる。寒くなってきたので、家の中に入り込んできたのだろう。哀れさが身に沁みるが何もしてあげることができない。「蛍火」は「蛍の放つ光」で夏の季語だが、「小さく消え残った炭火」という意味もある。この句では煙草の火を「小さく消え残った炭火」に準えた。何とかしてあげたいという心情を句にしたが、これを大きなお世話というのだろうか。

墨の香を筆に移して小春かな 

2006年11月21日、14:00〜16:00、銀座OS画廊書道教室で二回目の習字練習。講師;小泉香園先生。会員;伊藤伸一、木川るり子、倉橋宣武、栗原道男、薗吉輔、冨田悦男、萩次郎、宮村昊の諸氏と私。休憩時間に各々自己紹介、俳句をやっており、下手な字ながらきょうから陰暦十月。きょうの小春日和を踏まえて、小泉講師への挨拶句「寿美之香遠不手仁宇津之手小春加奈(すみのかをふでにうつしてこはるかな)」を披瀝。
先生から「筆立て、力抜き、溜め、ゆっくり」の指導を受けるが、いずれも難しい。すぐ筆が斜めになる。手にも肩にも入る力。溜めがなくなる。そんなに急いで何処へ行く、ついつい速くなる。