毎年、この時期は、お向いさんの庭の柿の木の新しい若葉で目を楽しませていただいている。
いわゆる借景である。
柿若葉は明るい艶のある萌黄色でひときわ目を引く。
朝起きて、この若葉を見ながら茶を啜ると清々しい気持ちになる。

今年は柿若葉に加えて、藤の花が目を楽しませてくれている。
これは散人の家の庭に咲いているので借景ではない。
柿若葉の萌黄色の手前に薄紫の藤の花の房が下がっている景色は優雅でもある。

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柿若葉は初夏の季語、藤の花は晩春の季語。
春から夏に移るこの時期だからこそ、その両方を楽しめる。

大型連休が終わる頃には、藤の花は散り始め、柿若葉は色を濃くし始めてみずみずしさから力強さに変わっていく。


朝の茶の熱き喉ごし柿若葉   かち虫