カテゴリ: 俳句

偶数月の15日は、年金の払込日であると同時に「わおん」の投句締切日である。

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「わおん」は長谷川零余子師系の隔月刊俳句誌である。

終刊した「ぬかご」を引き継いで平成27年に創刊した。

九つの地域句会をベースに約70名の会員がいる。

散人は平成竹とんぼの仲間であり、メール句会という地域句会を主宰していた君島さんの薦めで「ぬかご」の時代に入会した。

ところが、その君島さんが9月に亡くなり、メール句会も消滅してしまった。

と同時に、散人の俳句に対する興味も薄れてしまった。

これまでは毎月10日にメール句会に5句、隔月15日に「わおん」に5句を投句していた。

その為に、折に触れて自然の声を聴き、日々の生活実感を感じながら句を作る努力をしてきた。

今は、その中心となっていたメール句会への投句が無くなり、張り合いを失ってしまった。

句会が有る無しに関わらず、俳句は詠めるのだが、心の弱い散人は、何か縛りがないと事を進められない。

困ったものである。

「わおん」も新しい年度に入るが、いっそのこと止めてしまおうかとも思ったが、それでは折角誘ってくれた君島さんへの恩義が立たない。

細々ではあるが、もうしばらく続けようと思い、継続の手続きをした。

エイヒレに酒一合の良夜かな  かち虫
(君島さんはエイヒレが好きだった)

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第3回わおんの集いが四谷の主婦会館で行われた。
会員88名の内30名が参加した。
うち男性が8名。
参加者のほとんどが70歳以上。
散人はこれでも若い方なので全体は推して知るべしである。

会は3部に分かれていた。
1部は活動報告と昨年度優秀者の表彰。
2部は句会。
3部は懇親会だった。

2部の句会はあらかじめ出句しておいた一人2句合計98句の句を参加者で選句する。
一人16句を選句するのでトータルで480の選が入る。
優秀者は懇親会の時に表彰され賞品を貰う。

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トップは14点付いたN氏の句で

「風を詠み日差を詠みて野に遊ぶ」だった。

散人の句は図らずも12点貰った。

「花冷えや手で温めし聴診器」

4月に喘息の定期検診に行った際に詠んだ句である。


わおんの会も3年目を迎える。
高齢者を抱えているのはどこの句会も同じのようだ。
いつまで続くか懸念せざるを得ない。


昨年度の俳誌要覧には「わおんの会」のことも紹介されていた。

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由緒のある会なので長く続いて欲しい。
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俳誌「わおん」の会員の年に一度の集いが竹芝の「シーサイドホテル芝弥生」で開催された。
会員86名の内35名が参加した。

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会は昨年の活動報告と優秀者6名の表彰を行った後句会を開いた。

会員が事前に2句ずつ投句した中から参加者が15句順位を付けないで選ぶ方式が採られた。
事前に55名が投句していたので全部で110句。
その中から15句選び、それを係りが集計するのには結構時間が掛かった。
表彰の後懇親会に入る予定だったが、表彰は懇親会の途中で行われた。
選の多かった上位20名が表彰され代表から賞品を受け取ったが散人の句は20位には入らなかった。

散人の句は

芽柳のやさしき風を誘ひけり
園児らのおしゃべり制し初音かな

懇親会は11階の会場でシーサイドホテルというだけに眺めは素晴らしかった。

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宴会は5つのテーブルに着席式で、高齢者の宴会らしくゆっくりと食事が運ばれた。

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途中カラオケや詩吟も入ったが、ご婦人が多いだけに各テーブルでのおしゃべりに忙しかった。

昨年の会よりも賑わいが少なくなったような気がするが、参加者が年々高齢化しているので仕方のないことかもしれない。
 
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今日は立秋。
未だ暑さ冷めやらぬどころか酷暑最中の秋の始まりは違和感を感じる。

俳句の世界では今日から秋の季語を使っての句作となる。
しかし、メール句会の主宰からは7月25日に秋の季語を使って10日までに5句投句せよ、とお達しがあった。
暑いさなかで秋の風情を詠むのは苦しい。 

おまけに「桐一葉」という兼題もある。
あまりお目にかからない季語である。
歳時記を読むと、
秋の初め、桐の葉がふわりと落ちて、秋の到来を告げる。古代中国の書「淮南子」の「一葉落ちて天下の秋を知る」から。衰亡のきざしを季節の推移に重ねている。
とある。更に例句が7句。
有名なのは
桐一葉日当たりながら落ちにけり  高浜虚子
がある。

25日以降、秋を想像しての苦吟が始まった。
歳時記を読み、季語別俳句集などを読み、ヒントを探す。
秋の季語と言っても今の時期は初秋の季語で作ることになる。

2週間かけて読んだ句は10句ほどしかない。
主宰には「多作せよ」と言われるがなかなか出来ない。

10日が締めきりであるが、今日5句を選び推敲して投句した。
ホット一息ではあるが15日には「わおん」の締めきりが来る。

やれやれである。

やり残すこと数多あり秋の蝉    かち虫
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今朝もやっぱり寒い。

8時過ぎまで布団の中に居た。

少しはマシになったが、1週間前から喉のイガラッポサが治らない。

特に朝起きた時が酷い。

このイガラッポサが気管支に及ぶと、喘息発作が起きるのが常であるが、今年は気管支まで降りて行かない。 

普段の養生の賜物だろう。

朝から家でおとなしくしていた。

メール句会の10名の出句集が送られてきたので、その選と評を行った。

50句の中から10名が自分の句を除き6句を選びそれに評をつける。

リズムのいい句や説明句になっていないものを選んだ。

毎月20日が締切りであるが、今月はびっくりするほど早く出来上がり主宰の元にメールで送った。

主宰もびっくりされていることだろう。


そのあと、15日締切りの 「わおんー和音ー」の会の投句の準備をした。

詠み貯めていた句に新たな句を加え、推敲して5句を選んだ。

「わおんー和音ー」は90年余りの歴史のある「ぬかご」が昨年末に千秋楽を迎え、新たに創刊された隔月刊の俳句誌である。

先日その創刊号が送られてきたが、毎回5句を投句することになる。

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この俳句の会は主宰制を採らず複数の役員で運営される。

現在90名余が会員となっているが高齢者が多いそうなのでこの後どのようになるか心配でもある。

創刊にあたっては下記の5句を投句した。


枯尾花手折ればほろと崩れ飛び

霜降や折り鶴一羽軒の下

色褪せしイチジク浣腸冬の浜

短日や遊び足りない児の寝顔

山眠る托鉢僧の白き息


俳号は「かち虫」と名乗っている。

かち虫とは蜻蛉のことである。

 
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彩の国どこでも竹とんぼくらぶ」の仲間、芝田(しでん=句号)さんが、俳句結社「ぬかご社」において、23年度ぬかご賞を受賞しました。
「ぬかご社」は長谷川零余子(奥様は長谷川かな女)が創立した91年の伝統を誇る俳句結社です。

芝田(しでん)さんは古希を遠に超えていますが、元気ハツラツ、多趣味なシニアです。
今だ現役で、あるNPO法人の理事として活躍していますが、埼玉の歩け歩け運動を普及した初期メンバーであり、今も竹とんぼ教室には少々の距離があっても歩いて来られます。

書道も達人で料理もこなします。酒も実に強い。朝から飲んでるそうです。
我々の良き指南役であり、また理想のシニアです。

受賞の対象となった、芝田さん自選の20句を紹介します。

  蓑虫や保育児独り穴を掘る  
  
  呼び合へる距離を保ちて茸狩  
 
  小春日や句帳に映るペンの影   

  紅葉散る一族のみの山の墓   
 
  何事も四捨五入して懐手    
 
  新雪を走る一両電車かな  
   
  水仙や蓋のしてある釣瓶井戸   

  練り上げし朱肉の匂ひ筆初
    
  茶柱の揺れの静かに春の雪 
   
  センサーで点る門燈恋の猫 
   
  山笑ふ丈夫なだけが取り柄です 
 
  囀や喪服に残る坐り皺 
     
  俎板に木曾の焼印初鰹 
     
  鈴蘭や茶筅に残る薄みどり 
   
  緑陰を映して湖の底知れず 
   
  通されて先づ海を見る夏座敷  
 
  丁寧に足の爪切る今朝の秋
    
  青空をひと捻りして林檎捥ぐ
   
  いさを忌の秋の風鈴鳴り止まず 
 
  八千草や嘘と知りつつ聴く話

・・・・・・・・・・・・
何事も四捨五入して懐手
  これからはこういう生き方をしたいものです。

センサーで点る門燈恋の猫
  何気ない日常の風景ですね。恋する猫の心、急に点った門燈、合いますね。

丁寧に足の爪切る今朝の秋
  幸せなひと時です。

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(久保松束さんから寄せられた俳句を掲載しております)

蓑虫も父恋ふるとぞ七回忌 (0101117)

入選の札無き菊の香かな (0101118)

かにかくに庭の茗荷は枯れにけり (0101119)

小半時ばかりレジ待つ冬の朝 (0101120)

青春の見え隠れして蔦紅葉 (0101121)

しばらくは時を忘れて夕紅葉 (0101122)

いちえふといてふことなる一葉忌 (0101123)

電線に小鳥群れきて銀杏散る (0101124)

うわっと子ら駆けよる鴨脚樹落葉かな (0101125)

 大方は俯きかげん柿落葉 (01011126)

小春日や文士の集ふ数寄屋橋 (0101127)

とつぜんに遊ぶ声已む冬の暮 (0101130)


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松束画像2
(久保松束さんから寄せられた俳句を掲載しております)

また頭ぶつけて柿の重き枝(0101101)

からたちのまろまろとして白秋忌(0101102)

ハンカチの思ひさまざま文化の日(0101103)

気に入らぬ風もあろうに花芒(0101104)

見せばやと影をうつして日は斜め(0101105)

光のみまとひて公孫樹黄葉かな(0101108)

百合の木の黄葉の遅速明る園(0101109)

いい天を仰いでしばし蒲団干(0101110)

菊一枝一期一会の一の膳(0101111)

風弱き触れあい広場冬青の実(0101114)
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松束画像2





(久保松束さんから寄せられた俳句を掲載しております)

竜胆に日を当たらせて松の影(0101016 

髭つきのまま貰ひけり甘藷 (0101017 

初めての話の多き夜長かな (0101018 

小平は帰る道じゅう虫時雨 (0101019 

叢雲に見え隠れして十三夜 (0101020 

湯けむりに顔近づけて今年米 (0101021 

南瓜彫る底にも小さき穴一つ (0101022 

霜降のフェンスのまろき日差かな (0101023 

雨音の天窓たたく夜寒かな (0101024

 コスモスのコスメティックのコスモかな (0101025

残り火に早く近づけ残る虫  (0101026 

夕空に紛れず紅き花水木  0101027

杜鵑草震へて雨のど真ん中 (0101028

焦点を暈してばかり水引草  0101029

大荒れの熱海の海辺紅葉忌 0101030

蝋燭に揺らぐ影陰ハロウイン(0101031

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松束画像2
久保松束さんから寄せられた俳句を掲載しています)

教室の壁の日当り烏瓜 (101001

笑栗や憶良詠ひし子らの顔 ()101002

何処までも夢追いかけて赤とんぼ (101003

雨粒も青く染めけり蛍草 (101004

人多きビルの谷間よ秋の雲 (101005

秋日和サンセベリアの蜜を吸う (101006

里芋の皮むく指の細さかな (101007

地口絵の謝礼貰ひし寒露かな (101008

木犀のかをり含みて絹の雨 (101009

本郷は坂多きとこ虫の声 (101010

目配せに目配せ返す秋の星 (101011

吾亦紅旅路重ねて六十余 (101012

唐辛子思ひ思ひの色と形 (101013

葉隠にものを思ひて蓮の実 (101014

一撃を食らふ手おんぶばった消ゆ (101015

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